会社四季報の読み方を1からやさしく解説ーポイントは5つ

本記事では、会社四季報の読み方を一からやさしく解説したいと思います

この記事を書いている私は、株式投資歴10年以上でこれまでに資産75倍以上を達成してきました。

ネット上に情報はあふれていますが、実際に株式投資で資産を増やしている人はどのような視点で会社四季報を見ているのか、こういったところを解説していきます。

1.会社四季報とは?

まず会社四季報についてですが、会社四季報は投資家のバイブルとも呼ばれ、株式投資をやるうえで必要不可欠な本です。本屋で雑誌コーナーなどでこういう↓本を見かけたことある人もいるかもしれません。

会社四季報には、上場している数千社の企業の会社の概要から業績、財務状況などありとあらゆる「情報」が詰まっています。有効に活用できれば、株式投資の成績が向上すること間違いありません。とはいえ、膨大な量の情報が会社四季報には詰まっていますので、どこを見ればいいかわからないという人もいると思います。そこで私は以下の5つのポイントで会社分析することをおすすめします。

①会社で起きているトピックスを確認
②業績が好調か確認
③財務状況が問題ないか確認
④経営がうまくいっているか確認
⑤配当がしっかり出されているか確認

では、今から順番に詳しく解説していきます。

2.会社で起きているトピックスを確認しよう!

まずはポイントの一つ目「会社で起きているトピックスを確認」について解説していきます。

①会社で起きているトピックスを確認
②業績が好調か確認
③財務状況が問題ないか確認
④経営がうまくいっているか確認
⑤配当がしっかり出されているか確認

会社四季報では、今現在その会社で起きている重要なトピックスを数行にまとめて記載してくれています。

実際の画面で確認していきましょう。

注:今からの説明はGMOクリック証券の会社四季報のページを使って解説します。同証券会社では口座開設者は無料で会社四季報を見れるので、多くの方が利用していると思いますが私も実際に使っています。今回はGMOクリック証券の画面を使って解説していきますのでご容赦ください。なお、内容的には書店やAmazonで売られているものと紙媒体となんら変わりありませんのでご安心ください。

では、下の画面を見てください。下の画面は中古不動産を再生して販売するカチタス(8919)の会社四季報ページです。会社に関する様々な情報が載っていますが、まず一つ目に確認すべき項目は、「業績見通し」と「トピックス」のところです。

会社四季報 トピックス

業績見通しやトピックスのところは【】で囲われた文字に、今現在その会社がどのような状況であるかが一目でわかるような書き方がされています。例えば、カチタスの場合だと、【増益続く】、【前進】ですね。これを見ると「カチタスは増益が続いていて業績が好調なんだな」ということが一目でわかります。まずはこのようにしてその会社の置かれている全体像をザクっとでいいので、把握することが大切です。

というのも会社四季報には数千の会社の情報が搭載されています。それをくまなく全部読んでいくのはかなりしんどいですし、時間的にも効率が悪いです。したがってまず全体像を見て、調べてみる価値がありそうだなと思ったら、深堀していくというのがおすすめです。

今回のケースで言うと、カチタスは会社のファンダメンタルが良さそうだなと判断できますので深堀して続きを読んでいくと、中古不動産の販売で大切な物件の仕入れが順調に拡大していることやニトリとの業務提携で販路を拡大していこうとしていることが読み取れます。

このように見ていくと最小限の努力で投資調査を進めていくことができます。

ちなみに会社四季報の【】で囲われた文字でファンダメンタルが良くなさそうだなと判断できるものとして、【赤字拡大】や【苦戦】などといったネガティブキーワードが並ぶことが多いです。こういった企業を避けることで投資で失敗するリスクを下げることができます。

以上が一つ目のポイント「会社で起きているトピックスを確認」についての説明になります。

3.業績が好調か確認しよう!

では、続いて2つ目のポイント「業績が好調か確認」について解説していきます。

①会社で起きているトピックスを確認
②業績が好調か確認
③財務状況が問題ないか確認
④経営がうまくいっているか確認
⑤配当がしっかり出されているか確認

会社四季報では過去4年の業績と将来2年先の業績予想を掲載しています。実際の画面はこんな感じです。

会社四季報 業績が好調か確認

このように業績の一覧がきれいにまとめられています。

この画面で確認したい項目は業績が好調であるかです。基本的に毎年増収増益かどうかを見ましょう(=売上高、純利益が毎年増加しているか?)。

カチタスの場合は、16.3月期の売上高393億円ですが、19.3月期の売上高は813億円にはのばしています。約2倍に増やしていることがわかります。さらに20.3月期、21.3月期の売上高を見るとさらに拡大していくことが予想されています(決算月の横に書いてある「予」と書いてありますが、将来の予想の予です)。

このことから先ほど確認したトピックスの通り、数字の上でもカチタスは業績の拡大をしてきたし、これからも拡大していく可能性が高いことがわかります。

このようにして業績が好調かどうか数字を確認して裏をとるようにしましょう。

4.業績は前年比の伸び率をみよう!

さらに踏み込んで、業績の前年比の伸び率を見ると、より会社の業績の状況をきちんと把握できます。下記表をご覧ください。下記表では、業績が好調かどうかを判断するうえで数字的にどのくらいなら好調なのか、逆にどのくらいなら不調なのかをまとめてあります。前年比でどのくらい伸びているかを確認して、下記基準に照らしていただければ会社の状態が判断できます。

業績 判断基準
売上高・純利益 伸び率20%以上 絶好調
売上高・純利益 伸び率10%以上 好調
売上高・純利益 伸び率5%以上 普通
売上高・純利益 伸び率5%以下 停滞
売上高・純利益 伸び率マイナス 悪い

ちなみにカチタスの場合は18.3月期→19.3月期の伸び率は、売上高17%、純利益27%ですので、限りなく絶好調に近い好調という分類ができます。

ぜひ投資しようかなと思っている企業の業績の伸び率を確認してみてください。

以上が2つ目のポイント「業績が好調か確認」についての説明になります。

5.財務状況が問題ないか確認しよう!

では、続いての確認項目「財務状況が問題ないか確認」に移っていきます。

①会社で起きているトピックスを確認
②業績が好調か確認
③財務状況が問題ないか確認
④経営がうまくいっているか確認
⑤配当がしっかり出されているか確認

財務状況を確認する理由はなぜかというと、主に会社がつぶれる可能性がないかを確認するためにやります

株式投資をやる上で一番最悪なのは投資した先が倒産して株の価値が0になることです。そのため疎かになりがちですが、財務状況を確認するのは非常に大切です。とはいえ、確認すべき項目は少ないので、ポイントに絞って解説していきます。

確認すべき項目は2点です。それは「自己資本比率」と「有利子負債」です。

実際の画面では、「財務」というところに「自己資本比率」と「有利子負債」が記載されています(カチタスの四季報部分を抜粋)。

会社四季報 財務状況

カチタスの場合は、自己資本比率45.1%、有利子負債203億円となっています。

自己資本比率とは、企業が持っているお金のうち返さなくてもよいお金の比率のことで、この数字が高いほど安全性が高いと言われています(以下で数値の目安について解説しています)。

また有利子負債とは、ずばり借金のことでこれは少なければ少ないほど安全性が高まります。有利子負債は常識的に考えて多すぎなければ問題ないと判断して良いと思います。

6.自己資本比率の目安

自己資本比率については数字的に目安が存在しますので、以下の表を参考にしてください。

自己資本比率 判断
70%以上 財務状態は盤石
40%~70% 健全な財務状況
40%以下 財務的に脆弱

判断基準としては、自己資本比率40%以上なら問題ないと判断してOKです(カチタスの場合は、40%以上をクリアしている)。

ただし40%以下の会社は財務的に脆弱とありますが、すぐに潰れるというわけではなく、業績が問題なければ潰れることはありません。ですので40%以下だから投資をやめておこうと神経質になる必要はないです。しかし、業績が悪化すると、自己資本比率の低い会社は有利子負債も多いので、資金繰りに大変になってきますので注意が必要です。自己資本比率の低い会社は業績に問題がないか確認すると良いでしょう。

自己資本比率は業績とセットで考えることが大切

以上が3つ目のポイント「財務状況が問題ないか確認」についての説明になります。

7.経営がうまくいっているか確認しよう!

①会社で起きているトピックスを確認
②業績が好調か確認
③財務状況が問題ないか確認
④経営がうまくいっているか確認
⑤配当がしっかり出されているか確認

ここまで、四季報の全体像をつかんで、業績と財務状況を確認してきました。これだけでも十分OKなのですが、今から話す2点に注目するとさらに選択眼がブラッシュアップされます。その2点は会社がうまく経営されているか、もっと言うと株主のためになるような効率的な経営がされているかを確認することができます。

では、解説していきます。

見るべき2点の項目とは、「ROE」と「フリーキャッシュフロー」です。

ROEを確認しよう!

ROEとは、今持っているお金でどれだけ効率的に利益を生み出しているかを表したものです。

この数字は高ければ高いほど効率的に利益を生み出しているということを表しています。例えば100万円持っていて、そのお金から利益を20万円生み出すのと10万円生み出すのでは効率性に2倍の差があることになります。これを数値で表したものがROEになります。

ROEを数式で表すと以下の計算式で求めることができます。参考程度に書いておきます。

ROE = 純利益 ÷ 自己資本

ROEは会社四季報の「指標等」のところに書いてあります。

会社四季報 ROE

ROEの数値の目安

ROEにも数値によってこれぐらいなら効率的な経営がされているよねという判断基準がありますので、以下の表にまとめておきます。参考にしてください。

ROE 判断基準
15%以上 効率的な経営がされている
8%~15% 合格点
8%以下 経営は効率的にされていない

フリーキャッシュフローを確認しよう!

続いてもう一つの見るべき項目フリーキャッシュフローについて解説します。

フリーキャッシュフローとは、企業のお金の使い方がどのような使い方をしているかを表したものになります。営業活動はうまくいっているのか、イケイケドンドンでお金を適正以上に使っていないかなどを確認することができます。

フリーキャッシュフローを正式に表現すると、営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いた数字、のことをフリーキャッシュフローと言います。

フリーキャッシュフロー = 営業キャッシュフロー - 投資キャッシュフロー

ここで出てくる営業キャッシュフローと投資キャッシュフローは四季報のここに書かれています(残念ながらフリーキャッシュフローは書いていないので、自分で営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの数字で計算しないといけないです)。

会社四季報 キャッシュフロー

営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの意味ですが、

営業キャッシュフローは営業活動で得たお金、投資キャッシュフローは将来のための(設備投資など)に使ったお金を表しています。

営業キャッシュフロー:営業活動で得たお金

投資キャッシュフロー:将来の投資のために使ったお金

ここで大切なのは用語の意味を覚えることや細かい数字を計算することより、フリーキャッシュフローがどのような状態であれば良いのかを知っておくことが重要です。

フリーキャッシュフローの目安

では、フリーキャッシュフローの見るべき点について解説します。

フリーキャッシュフローの何を見ればいいかというとずばり数字がプラスかどうかを見ましょう。

どういうことかというと、フリーキャッシュフローの内訳である営業キャッシュフローと投資キャッシュフローですが、営業キャッシュフローは営業活動で得たお金、投資キャッシュフローは将来のための(設備投資など)に使ったお金を表しています。

フリーキャッシュフローがプラスということは、営業活動で得たお金の範囲内で、将来のための投資を行っているということを意味します。
逆にフリーキャッシュフローがマイナスということは、営業活動で得たお金よりも多く、将来のための投資を行っているということを意味します。つまり投資過剰ということですね。
したがってフリーキャッシュフローがプラスであれば、稼いだお金の範囲内で適切な投資が行っている会社だと判断できます。フリーキャッシュフローは近年会社を評価する上で重要な指標になってきていますので、覚えておくと役に立つと思います。
以上が4つ目のポイント「経営がうまくいっているか確認」についての説明になります。

8.配当がしっかり出されているか確認しよう!

①会社で起きているトピックスを確認
②業績が好調か確認
③財務状況が問題ないか確認
④経営がうまくいっているか確認
⑤配当がしっかり出されているか確認

最後に確認しておきたい項目が「配当がしっかり出されているか」です。

なぜ配当が出されているか確認したほうがよいかというと、株主還元をしっかりする会社かどうかを確認するためです。

配当は目に見える形で、株主のポケットにお金を入れてくれます。そのため配当を出す会社かどうかはきちんと見ておく必要があります。

会社四季報では、配当のところに記載してあります。なお、そのときに見てほしいのが「配当利回り」です。

会社四季報 配当

この配当利回りは、自分が投資したお金に対してどれだけ配当をもらえるかを表しています。銀行の定期預金の利回りのようなものです。あなたの投資効率を表していると言っても良いと思います。この配当利回りは高ければ高いほど投資効率が良いということになります。

9.配当利回りの目安

基本的には配当利回りは高いほど投資対象として魅力的です。以下の表にどのくらいの配当利回りなら良いのか目安を書いておきます。参考にしてください。

配当利回り 目安
3.5%以上 投資効率が良い
1.5~3.5% 普通
1.5%以下 投資効率は悪い

補足(さらに上を目指したい人へ)

配当利回りは、成長段階の企業は低くなる傾向があります。例えば、今回紹介したカチタスのような会社の場合、業績も好調で成長している段階ですので、配当に割り振るお金を事業で使うために使いたいと考えます。そのため配当利回りとしては低くなりますが、事業が成長して結果的に株価が上昇すれば配当で得られたであろうお金を株価上昇により得られることになります。このように配当利回りが低いからと言って一概に投資対象として悪いと言えないので、複数の項目で総合的に判断することが大切です。

10.まとめ

会社四季報を確認する際のポイント5つを紹介しました。

①会社で起きているトピックスを確認
②業績が好調か確認
③財務状況が問題ないか確認
④経営がうまくいっているか確認
⑤配当がしっかり出されているか確認
実際、私もこの方法で株を選んでいて稼げているので、おすすめの方法です。
今回解説で使わせていただいたGMOクリック証券は口座開設者は無料で会社四季報を見れるので、おすすめの証券会社です(口座開設も無料)。
「紙媒体の四季報のほうがいいな」という方はAmazonでかんたんに購入できますので、下にリンクを貼っておきます。
会社四季報は膨大な量の情報が載っていますので、役に立つ反面、情報に溺れてしまう可能性もあるので、今回紹介した5つポイントを押さえて読んでみてください。

補足1.四季報ワイド版と通常版 どっちがおすすめ? 比較

会社四季報にはワイド版と呼ばれる通常版より大きいサイズのものがあります。内容的にはまったく同じなのでどちらを選んでも内容に変化はないのですが、何が違うかというと、違いは文字の大きさです。

通常サイズの四季報だと、かなり文字が小さくびっしり書いてあるので、書き込みとかができないのが難点です。一方ワイド版はそれなりにスペースに余裕があるので、書き込みなどができます。また当然のことながら文字の読みやすさは圧倒的にワイド版が良いです。細かい文字が読めない人や読みたくない人はワイド版がおすすめできます。

一方でワイド版のデメリットとして、本が重いこと。それと価格が少し高いこと。このあたりがデメリットになります。このあたりが気になる人は通常版にしたほうが良いかなと思います。以下にメリット・デメリットまとめておきます。

通常版 ワイド版
値段 安い 少し高い
重さ 普通(決して通常版も軽くはないです 重い
文字の読みやすさ 文字が小さく読みにくい 文字が大きく読みやすい
スペースの活用 スペースがないので書き込みは不可 書き込みできるスペースあり

上のマトリックスを参考にしてもらって好きなほうを購入すればいいかなと思います。迷われている方はワイド版のほうをおすすめします。

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補足2.会社四季報業界地図の活用方法

会社四季報業界地図というものがあります。日本に存在するすべて業界の業界ごとにランキングや各社のライバル関係など網羅的にまとめた本になります。本記事の中でおすすめの株の選び方として、PER×PBR<22.5以下の大企業を買うと良いですよと紹介しましたが、大企業と言われてもいまいちよくわからないという方もいると思います。

そこで、この会社四季報業界地図を活用してみてください。この業界地図では主に大企業を中心に紹介されていますから各業界の大企業~中堅企業まで幅広く知識を身につけることができます。この本を見てみて興味のわいた企業のPERやPBRなどを詳しく見ていくと良いと思います。個人的には毎年買ってこれを見てます。おすすめです。

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